日曜教学事始め

お釈迦さまや世親さま、親鸞さまのことなど

ちまちま書いているもの⑧

さとりの智慧の生起 「桃栗三年柿八年」という言い回しがありますが、これをもじって「唯識三年倶舎八年」という言い回しがあります。これは『俱舎論』の学びを八年続ければ、難解なことで知られる唯識思想は三年の学びで理解出来るという意味だそうです。『…

ちまちま書いているもの⑦

結集伝承について ゴータマ・ブッダは八十歳で入滅しました。その様子は、中村元先生が『ブッダ最後の旅』という名前で和訳されたパーリ仏典『長部』に収録された「マハーパリニッバーナ経(大般涅槃経)」に詳しく記載されております。なお、親鸞聖人が『教…

ちまちま書いているもの⑦

論蔵の誕生 先ほども触れましたが、パーリ仏典は「律蔵」「経蔵」「論蔵」の三つから成る「三蔵」という構成をとっております。また、インドから中国に仏教が伝わる過程で、古い経典も新しい経典も一気に伝わって翻訳されたものですから、全てを収録した仏典…

ちまちま書いているもの⑥

縁起について 先ほど、「ゴータマは三明を得て、四聖諦を認識し、ブッダとなった」という伝承をご紹介しました。しかし、私たち大乗仏教徒にとって、より有力な伝承として伝わったものは「ゴータマは縁起の法を得て、ブッダとなった」というものです。 パー…

ちまちま書いているもの⑤

四聖諦について さて、これから「ブッダのさとり」言い換えれば「ブッダは何に目覚めたのか」という点について確認をしておきたいと思います。このことは、非常に根本的な事柄ですので、全ての仏教徒が共有出来ていないとおかしい事項のようにも思われます。…

ちまちま書いているもの④

アートマンについて ゴータマ・ブッダはバラモン教やジャイナ教を踏まえながらも、それまでには無かった仏教という教えを明らかにしました。もちろん、仏教徒である私たちにとって、これは当たり前のことです。それでは、ブッダは何故新しい教えを明らかにす…

ちまちま書いているもの③

沙門(サマナ)の宗教 また、ブッダが誕生する少し前には、社会的に大きな変動が起こります。やや教科書的な言い回しになりますが、交易が盛んになって、仏典にも出て来るヴェーサーリーなどの都市部が繁栄するようになったのです。バラモンの祭式は、農作物…

ちまちま書いているもの②

インドにおける「哲学」の誕生 しかし、ブッダが世に出る少し前に、大きな変化が起こります。バラモンのなかで、祭式に執行には飽き足らず、神話的な記述にあふれたヴェーダ文献に基づきながらも、そこから哲学的な思索をおこなっていこうという動きが生まれ…

ちまちま書いているもの①

インド文化の基層 ブッダは、どういう時代の空気を吸っていたのでしょうか? 『スッタニパータ』や『ダンマパダ』といった仏典の分かりやすい和訳で知られる中村元先生(一九一二年―一九九九年)は『慈悲』という最初の御著書のなかで「仏教の外のものを知ら…

君は小宇宙を感じたことがあるか!

皆さんにとって「初めての仏教との出会い」は何でしょうか? 僕にとっては、恐らく幼稚園児の頃に見たTVアニメ『聖闘士星矢』です。劇中にでてくる「乙女座のシャカ」なる登場人物はゴータマ・ブッダを恐らくモチーフとしており、彼とのエピソードには阿頼耶…

法輪の話。

先日、とある方とお食事をご一緒した時に「仏教興隆のために頑張っておられますね」とお声がけしたところ「法輪を転じなければいけないから」と力強いお答えを頂き、大変感銘を受けました。その方と僕とは、同じ仏教徒でお釈迦様を大切にする者同士ですが、…

オッケー刻んだ。

冬といえば受験のシーズン。体調も崩しやすいこの時期に、受験生の皆様の体調が案じられます。受験勉強といえば、最近の傾向は詳しくないのですが、私の自分は暗記が中心でした。中学受験の時には、四科目の分厚いテキストを少しずつ暗記し、毎週日曜日に試…

仏語とアウラ

大学を出た後で、約半年間のフリーター生活を送ったことがあります。夢破れた直後ということもあり、心の隙間を埋めるべく、貪るように哲学書や思想書を求め、読み耽った記憶があります。あまり良い思い出でもなく、引っ越しとともに大部分を処分してしまい…

ギョギョギョ

ちょっと前に、さる芸人さんの動画配信が話題になりました。歴史や宗教など、僕が関心ある分野について、専門家の方が内容の粗雑さに苦言を呈するという形だったように感じました。専門家が地道に検証を重ねてきた内容を、一般の方向けに分かりやすく噛み砕…

善財童子。

昨年は色々な体験をさせて戴きました。特に9月のインドの中央、ナーグプルへの出張は思い出深いものでしたが、それが終わってからは職場のHPで配信するコンテンツの原稿を書いていました。このブログをご覧戴いている方もそうだと思いますが、仏教を知りたい…

シンメトリカル・ドッキング!

京都の小僧時代は、本当に色々と学ばせていただきました。おかげさまで「大概のお仕事」は出来る(根拠の無い)自信が付きました。ただ、いくつか学ぶご縁が無かった事柄もあります。その一つが「登高座作法を含む内陣の所作」であり、もう一つが「お仏花」…

説教と教学のセツダン面

実は僕、「節談説教」なるものを勉強しています。少し前に、さるアメリカの方に「セツダンするんですってね」と言われて「ドコも切りませんよ」と返したら「だって、下にポスターが」「先生、それ『ふしだん』って読むんですよ」というやりとりがありました…

目白

私の母校は高田馬場の隣にある某大学で、残念ながらインド哲学や仏教学に特化した学科はありません。ただ、過去には仏教者でもあった哲学者・西田幾多郎や親友の世界的禅者・鈴木大拙、そして中村元先生のお師匠さんである宇井伯寿などが教鞭をとられていた…

It's New Frontier! 俺の歌を聴けェ!

既にご存知の方もおられるとも思いますが、私は京都の霊園で五年ほど小僧時代を過ごしております。親鸞聖人のみ教えの学びは兎も角、儀式については比較的しっかりとしたところでしたので、日々内容が変わる勤行(回り口)などで随分と鍛えて戴けたと感謝し…

入口は遥か遠く、あるいはひと夏の蝉

ブログのタイトルを(福沢諭吉というよりは)大久保利謙先生のご著作をもじって「〜学事始め」としたわけですが、文字通りの初学者として「当たり前」と思っていた基礎的な事柄について「目から鱗」という体験をすることがしばしばあります。京都で右も左も…

宗教と哲学

以前、とある宴席でたまたま隣になった某K先生(仏教論理学がご専門)に「どうして仏教論理学を学ぼうと思ったんですか?」とお聞きしたことがありました。その時、うろ覚えですが、「真宗寺院に生まれた私は『理屈抜きで信じなさい』という姿勢に反発してい…

「教学する」といういとなみについて考える。。。

先日、親鸞聖人の主著『教行信証』を丁寧に読み解くことをライフワークとしている藤場俊基先生から、新著『教行信証 大河流覧』(法蔵館、2020年)を送って頂きました。『親鸞の教行信証を読み解く』(全5巻、明石書店、1998-2001年)は『教行信証』を教巻…

フ○ーザ様の一喝

「聴聞の方の少なさ」という意味で有名(?)な本山隣の「す○れの間」ですが、僕は一度だけソコで法話を御聴聞したことがあります。それは、滋賀の若手有志の勉強会「南学会」と同じく大阪の法話研鑽団体「獅子吼の会」の共催法話大会でした。そこで大トリを…

去年の今頃は……

Facebookによれば、昨年の今頃は本山に「学階」を申請するための論文を書いていた模様です。おかげさまで、2月に無事提出し、6月に口述試験を経て、「学師」という学階(※教団のなかの学位のようなもの)を取得しました。といっても、大谷大学や同朋大学とい…

ざわ……ざわ……

隣で寝ている倅の寝相が悪く、布団を全部持っていかれて「布団がキンキンに冷えてやがるよォッ!!!」と思わず叫んだ朝です。そういえば、『カイジ』の映画の新作が上映されるらしいですね。さて、『カイジ』シリーズで有名な福本伸行先生の作品で、マイナ…

そんな言説……修正してやる!!!

かの平野耕太先生が「1995年はアニメの当たり年」とツイートされていて、その年に中二を迎えてエヴァとナデシコの洗礼を受けた業の深さを、あらためて深く感じ入ることです。さて、私は2000年に大学に入学して、歴史学を専攻するわけですけど、その頃には「…

「田○ゆかり」って思ったやつ表ェ出ろや

仮に日本人全員に「『お経』で知ってるタイトルある?」とアンケート調査をしたら、ほぼ確実に『般若心経』がトップをとるはずです。それだけ、日本仏教にとって馴染みの深いお経が『般若心経』です。ただし、これは真宗門徒にとって、いささか居心地の悪い…

その用例で大丈夫か?

先日、さる方がTwitterで「宗教哲学」という言葉を使っておられた。そこでは「宗教を論破する」というニュアンスで使っておられて、僕のイメージする使い方とは随分と違うなとも感じた。ただし、「それでは貴方の定義は何ですか?」と問われると困ってしまう…

天才アラーキーのこと

「天才アラーキー」と聞いて、多くの方は写真家荒木経惟さんのことを思い起こすであろうが、大学で日本史を少しばかりかじった僕を含めた何人かは、東大や沖縄大、大阪市立大で教鞭をとられた歴史学者の安良城盛昭さんを思い浮かべるかもしれない。「安良城…

今更な事を書くが……

いま、頭を抱えながらもリチャード・ゴンブリッチという方の『仏教とパーリ語』なんて本を通勤電車の中で少しずつ読んでいたりする。べ、別に英語出来なきゃ居場所が無くなる危機感に迫られてなんかじゃ無いんだからねッ!それはそれとして、母校の誇るべき…